COBYPLAN

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彼がハグをした

2019/01/29

居場所を見つけるために旅に出た彼が戻ってきた。

 

僕は依存症なんでしょうか。

僕はみんなとは違う。

そう言って彼は寒空の下、年金の証書をもって出ていく。

いつでも自分でやれるだろうから、ここではなく他の施設も見てくるかい?

 

そこが合えばそのまま居ついてもいいだろうし、それも違うなら戻ればいいし、

やっぱり自分でやってもいいだろうし。

信頼できる長崎のgraf長崎というギャンブル依存症施設を紹介した。

 

1週間後電車に乗って旅から戻った彼は、迎え入れてくれた皆に自らハグをして、

いつも通りミーティングに参加した。

彼がハグをした。

卵と鶏

2019/01/17

とある日のギャンブル相談。

 

ご家族で来られた。

ギャンブラー夫、ギャン妻と小さな子供2人で。

 

僕と大人ふたりが話している小一時間、おとなしく座っている子供がすでに立派な大人に見えてしまい(子供が大人っぽいのは必ずしも良いことではない。)、昔の自分をみているようだった。

 

 

ご夫婦はもうわかってらっしゃる方々で、ギャンブルというのは問題の一つの側面であり取り組むべき問題は他にあると感じていたようだった。

ただ長年連れ添った夫婦という関係の中で、お互いに言葉にできない、しない関係というものもある。僕はそれを言葉にしてみるだけだった。

 

 

結局お二人には、まず別々に家庭と違うところでの相談や自分の問題に取り組むことが必要であることを伝え、それぞれジーエーとギャマノンへ誘導した。

 

時々思う、ギャンブルが原因での家族関係不和か、家族関係不和が原因でギャンブルの問題が出ているのか。

まるで卵と鶏。

 

 

ただまあ、やることは同じなんだろうけど。

自と他

2019/01/11

新年を迎えました。

我々のような施設とは、よろしくしない方が当然いいのかもしれませんが、

もしかかわる機会があるのであれば、その時はどうぞよろしくお願いします。

 

さて今日は自と他について少し考えてみたい。

自と他・・・。

 

先日こういうことがあった。

ある地域の自助グループGA(ギャンブラーズアノニマス)が続けられなくなるかもしれないということ。

理由はさまざまだろうし、グループの中での話なので具体的なことはわかないけど、とにかくまあそういうことみたい。

それで何が問題かというと、グループ存続のために施設の利用者さんが開場の役割を持つか否かという話に発展した。これは非常に大切な、そして悩ましい問題になる。

どういうことかというと、ギャンブルをやめ始めた新しいメンバーであるCOBYPLANの利用者さんが自のことだけでなく他のことを考えなければならなくなるというもの。お金をどう取り扱っていくかという一つの課題に取り組んでいる利用者さんにとって、他のお金を扱うこと。自分が開場しなければその場所が存続できなくなるかもしれないというプレッシャーと向き合わなければならないこと。もろもろ、彼らが生きていくためには必要なものであるが、それを引き受けられる時期はいつなのかというのが問題なのだ。

それらすべてがそんなに深刻な問題ではなく、何とかなるものであるはずなのだが、その経験を共有できる先行く仲間がいない。それを意味するのが会存続の危機という今回のケースだのだ。

 

利用者さんがこの話を僕に持ってきたときには、一緒に頭を悩ませた。

利用者さんが行くGAがなくなるのは彼らの回復の手段がなくなると不安になったからだ。

一緒に手伝ってもらえるかという話をされた時には、さらに頭を悩ませた。

僕はGAメンバーではなく、その家族だからだ。

 

結果、僕は一人の頭で考えても仕方がないと思い、依存症支援を先駆的に行ってきたDARCの責任者や、自身のスポンサーにどう考えたらいいのか相談をして、利用者さんとひとつの決断をした。

 

施設としては会存続のためには動かない。

利用者さん自身ができることとできないことを見極めて決断してほしい。

施設としては利用者さん自身の回復のためにできることをするので、

もし何か役割をもつなら相談してほしい。

もしせず、会が存続しないのであれば回復の他の場所を一緒に探す。

 

うん、シンプルでいい。

 

どうなっていくのか、どうしていくのか。もはや楽しみです。

 

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