施設の役割の一つとして、自助グループ参加を習慣づける。
というものがある。
これは、施設を退所して社会復帰した後も通い続けるということが依存症からの回復に必要なものであると信じているからこそ施設の目的一丁目一番地となっている。
COBYPLANができて、良くも悪くも自助グループへの影響が出ているというのが外野から見てきた僕の感想。
最近は特に、その悪い影響が目につくようになった。
確かに、佐賀県内の自助グループの数が増えた。施設の利用者は、毎日自助グループに参加することをいわばプログラムとして義務付けていたので当然毎日参加する。施設の利用者が増えていくのと同時に、会場の数は自然と増えていった。これは喜ばしいことだ。地域で生活している方のギャンブルの危機に行く場所が増えたのだから。本当に困った人が、困った時に行ける場所があることは大事なことだ。今日は何曜日だから空いている会場がない。そんなの地獄絵図でしかない。現在佐賀では、毎日どこかのミーティング場が空いている。
しかし、これはいいことばかりではない。
自助グループ自体が、施設の延長になるという問題が起こり始めた。地域の人たちが集まる自助グループが、施設のカラーが強すぎて安心できない環境になっていた。言葉を選ばずに言おう。施設の人にとっては毎日行っているミーティングであっても、地域から来た人にとってミーティングはもっと命懸けなんだ。施設入所者から時々出てくる言葉。自助グループは行きたくない。ミーティングはもうお腹いっぱい。
これは施設を運営する立場からすると非常に大きな問題だ。
いずれ巣立つ施設のギャンブル依存症者の安心できる場所がなくなるということでもあるからだ。
地域でなんとか立て直そうと頑張っているギャンブル依存症の方、自助グループの雰囲気を壊してしまって申し訳ない。
施設で強制的に行かされていると感じていたギャンブル依存症の方、自助グループの大切さとその意義について説明が足りなかったこと、申し訳ない。
職員間で協議し、自助グループへの参加を任意とした。
各々が自分ごととして考えてもらうことにした。
惹きつける魅力のある自助グループを探してほしい。
もし、自助グループのメンバーになるのであれば、新しい仲間たちがどうしたら繋がってくるのか、またその仲間をどうしたら助けられるのかぜひ考えられるようになってほしい。