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かまをかける

2020/06/08

5台目のスマートフォンの預かり台帳にサインをしてもらったのは今日の午後だった。

僕にとっては通常のやりとり。

施設には、

やめられない人しかいない。

しかし、やめられない人がみんな必ずしも同じかといえばそうではない。

やめられない人の中には、

①やめられないけどやめたい人、

②やめられないけどやめたくない人、

③やめられないけどもう大丈夫と思考ストップした人、

主にこの3パターンで形成されているような気がする。

 

僕がなぜ①の人だけ選んで入所してもらわないかといえば、それは①から③は流動的だからだ。

どの人にもやめる権利もやめない権利もある。

そう考えれば、僕が彼らにやめさせる関わりを取らない理由がわかってもらえるだろうか。

とはいえ、施設には最低限のルールがあってそれを守らない場合にはそれなりの対応を取る。

 

 

さて本題に戻る。

普段から利用者の親身になって考え関わってくれている職員から、スマートフォンを預かった出来事に関して「かまをかけたのですか?」と質問された。

これはとても大事なことなので真面目にレスした。

かまをかけるようなことを利用者と職員間で行っては絶対にならないと思う。

かまをかけるとは、ひっかけるということ。もう少し極端に言えばだますということ。

 

依存症からの回復には、信じることや正直になるということがとても大事な要素だという。

これを職員がやるというのはどうだろうか。

 

だからこそ、僕が指摘をするときは駆け引きではない。

指摘するということはうまくやれてない(ルール違反以上に何か生活に支障が出ている)事実を目にしている、つまりそれ以上はやめようというメッセージでもある。

 

5台目のスマートフォンに4000円、そのスマートフォンを利用してやったギャンブル10000円ほど。

やめられない。できればやめたくない。

それを共有した今日の午後。

 

 

それでも彼はここにいる。

順番を間違ってはならない

2020/05/29

ある人に言わせてみれば、依存症とは順番が変わってしまう病気だという。

それはこういうことだ。

ギャンブルを娯楽と考えられる一般的な人たちは、仕事や学業、家庭などを顧みずパチンコや競馬などを楽しむことはない。ところが一部の依存症と呼ばれる人たちは、そのコントロール障害に陥っているために、何よりも先にギャンブルをやる。そしてやるためには手段を択ばなくなっていく。

 

なので逆に言えば、そこからの回復はやるやらないということもそうかもしれないが、

順番を間違えないようになるということでもあるのかなと思っている。

 

 

さて、この順番に関しては何もギャンブラー本人だけの問題だけではない。

その周りの人たちも考えておかなければならない。

特に本人が作った負債に関すること。

司法がらみであっても、安直に家族に尻拭いさせるべきではない。これをやると困ったときに家族はどうにかしてくれると本人は勘違いする。

だけならともかく、周りの人たちも勘違いする。

あの人には面倒を見てくれる家族がいるから、家族の力で社会復帰させなければならない。

それが家族だ。と、こうなるわけである。家族が病気を治せるわけがない。

 

まとめると負債の埋め合わせは、先にしても仕方がない。

また負債を抱えられる状態になるだけ。

埋め合わせは、本人がやらなければならない。

お願いします。順番です。

コロナ10万円とぼくたち

2020/05/16

何で俺だけ?と怒る人がいる。

そしてこれは特別なことではなく、よくある事でもある。

この質問に、僕は3つの回答をする。

 

①あなたは確かによくやっている。(これは嘘ではない)

②あなたには深刻でも僕はそう捉えていない。(この状況がずっと続くわけではないのでやり過ごすことも必要なことがある)

③あなたが出来る事をすればいい。相手を変えたいのか、自分が変えられることはあるのか。

 

彼の怒りを受け止めながら、僕はこれらを伝える。

そして、既出の彼の答えを尊重する。

10万円を持って彼は1人で生きていく。

 

 

 

と言うところが彼の覚悟だろうけど、

そんな難しい事言わないで、困ったことがあったら連絡するといい。いつでも出来ることはやろう。

 

 

自分だけの連絡手段が欲しい。

2020/03/24

いつもリュックを肌身離さず持ち込んでいるA君がいて、多分スマホ持ち込んだんだろうなと放置してた。

どうせそのうち問題になるだろうし、上手にやり切れることはないだろう。せいぜいスマホ使って人に送金してもらうか、

ネットで競輪の車券買うくらいかなぁ。

ま、その時に対応すればいいかと。

 

そしてその時はすぐにやってきてしまった。

映画プログラムの暗闇の中で、壁側に大事においてあるリュックの中身を稲川淳二顔負けの表情でのぞき込むA君。

    

顔だけが光っているので、突っ込まないわけにも行かず。

「それもってこっち来い。」

「バッグの中身だしてくれ。」

そう伝えて僕は仁王立ち。

 

そして顔を真っ赤にして出してきたのは分厚い本。

「ほう~。」

「まじでこれ出してるの?出すべきはこれじゃないよね。」(さすがに失笑)

少しごまかし切ろうとしたが、結局あきらめてでてきたのはこれ。

これで何をしていたのか問うとネットには繋がっていないので、繋がる場所に行って(無線wifiの解放ポイント)友人に連絡していたとのこと。

連絡先が分からないので、過去のネットバンキングの履歴から送金する形をとり、

そのついでにメッセージをのせられる。

何百円か残っている口座から、百円送金し金の無心のメッセージを送る。

ギャンブラーAが最後の力を振り絞ってbetしたのだ。

そしてその答えとして送金があるか否かを確認し、また別の人にbet。

ようはギャンブルやるためのギャンブルをやってたみたい。

 

結果としてはだれからも送金してもらえることはなく、

その前に僕にばれてしまうという結果だったようだ。彼にとってのこの口座はとても大事だったようで、

競輪の車券はこの口座からやり取りをするらしい。

今必要のないものなので、物品預かり帳に記録を残し丁重にお預かりをした。

 

そんなこんなのおもしろ話もつかの間。

プログラムの一環として、つけてもらっているお小遣い帳。

そこにまたしてもおもしろ話を発見。

携帯電話を持つ段階に来ていないA君がなんとpaypay支払で買い物をしているではないか。

確かにキャッシュレス還元を受けたい気持ちはわかる。

一応聞いてみよう。

(せいぜいコンビニや薬局のレジわきに捨てられてあるレシートを拾ったとか、スマホを中古で買ったとかそういう話だろうなぁ。)

 

すると、何のひねりもなくそのまんまのお話し。

しかしここからが面白い。順序が違うのだ。

こうやって領収書で裏金を作って、中古のスマホを買ったということなのだ。

それで頼みもしないのに出てきたのがこれ。

そんな努力までして、頑張って手に入れたスマホだったか今必要のないものなので、やはり物品預かり帳に記録を残し丁重にお預かりをした。

 

いいよいいよ。

こういうエネルギーのある人はベクトルの向きが変わるだけでいくらでもよくなる。

頑張れ。

ある日突然

2020/02/27

本当に病気だなぁと思う瞬間。

ついさっきまで日常会話をしていた人が、

あれれといなくなる。

 

ここ一か月で2名のメンバーがあれれと。

一人は退所の準備をしていた彼。

準備の一環で携帯電話の手続きに行ったその足でお金と貴重品をもって行かれた。

携帯電話の契約や難しい状況だったのでどうなったのか少し心配。

 

もう一人はストイックにやっていた彼。

ダウンを買うと貯金の20000円をもって帰らぬ人に。

ギャンブル依存症は生きるか死ぬかの病気だけれども、ここでの帰らぬ人とは言葉通り帰らなかったのほう。

実際は数日の放浪のあともどって正式に退所の手続き。

 

なんだろう。

ある日突然。そう、ある日突然。

 

ブログのぞいている入所者から、いなくなった人のことが書かれていないと指摘があったので、

書くついでにメッセージを伝えとく。

後片付け面倒くさいからやめてください。

優先順位

2020/01/12

ある日一通の郵便が届いた。

一緒に開封する。

そこには退職金23万円と書かれていた。

 

彼は2人の友人の返済に充てたいと話す。

施設の入所費は家族が支払っているので、順番を間違えない様僕は伝えた。

 

前にも書いたことがあるけれど、借金を一気に返したいのはギャンブルで大金をBETするのとたいして変わらない。

またギャンブルができるような状況を作りたいのだ。

 

そんなやりとりをしている最中、

借りている友人は家族を持っていて、その家庭のことを考えると払ってあげたいとのことなのだ。

 

それは気の毒に…。

ぜひ自分の身を削って金を貸してくれた彼にすぐ返済を…。

 

…。

……。

 

 

と、なるわけがない。

 

彼は、借金を返すために早く仕事をしたほうがいいのかなと言う気持ちになってしまうと続ける。

 

僕はこう伝える。

ここは、借金を返す場所ではない。

俺と駆け引きするのはやめてくれ。

仕事して借金返したいなら、いつでも出て行っていい。

 

さて、

23万円持って出て行くのか、

それとも自分を変えるためにここで踏ん張るのか。

 

優先順位を、間違えないように

周りにいる仲間としっかり相談すればいい。

 

大事な局面。

 

島原講演

2019/12/25

地方巡りの第二回。

長崎は島原へ。

先日佐賀DARCフォーラムの際に、時間がなくて話すことが出来なかったZと一緒に。

 

持ち時間半分の30分位を彼に喋ってもらう。

どう生きてきたのか、今どうなのかを自分の言葉で喋っていた。

いつも思う。

ノンフィクションの個人の物語は、最もわかりやすいし、最も心が動く。道中も往復4時間くらい話した。

貴重な話をありがとう。

 

宿泊した旅館で粋なポスター発見。

 

よくある刺青(タトゥー)の方は入浴ご遠慮下さい。

 

 

ではなく、

手術など体の傷あとをカバーする入浴着の着用にご理解を。

ですって。

刺青のある人、入浴着を来て、周囲に配慮して下さい。

刺青のない人、入浴着の人も入浴するので、よろしく。

 

こんな気の利いた言い回し、

ぜひ見習いたい。

味噌づくり

2019/12/12

職員の家で作った大豆を大量に頂きまして。

 

思いつきで、味噌を作ろう!という話になり、、、

 

いえ、僕が言い出したのです。

 

 

こんな感じでぐつぐつ灰汁を取りながら、お豆が柔らかくなるのを待ち、

 

 

こんな感じで揉みこんで塊にし、

 

 

最後に塩と麹を混ぜ、半年くらい寝かせるらしいです。

 

僕が言い出したのに、事務仕事やってお手伝いしなかったので大ヒンシュクでした。

たしかに。

発表会

2019/12/10

カッコつけてるなぁ。

 

先日、長崎DARCの中川さんとGRAF長崎の菅さんと一緒に、

長崎県の委託事業である依存症対策支援事業に参加させていただいた。

長崎県の支援がまだ確立していない地域にメッセージを運ぶと言う主旨のものだ。

今回は母の地元である上五島地区と言うこともあり、なかなか会うことができない親族への挨拶も兼ねて宿泊は1人祖母の家にさせていただいた。

 

結論から言おう。

翌日集まってくれた地元の人は、僕の親族4人ともう1人の人だけだった。

確かにそう言った関心の無い地域への支援が目的なので、それは仕方のないことなのかもしれない。

ただ、行政の人はもう少し広報を頑張らないと。

建前で依存症対策してますよって、民間巻き込むのは悪いことじゃないけどやれることはやってくれないと、なーんにも意味がない。

中川さんの話は、依存問題は何かにはまって問題行動が起きる。

だから、それやめる必要があると言う話ではない。

依存問題の前に、各々何かの問題を抱えている。

人とうまく話ができないとか、特別なこだわりがあるとか、何をやっても満たされないとか、シンプルに生きていく事が苦痛だとか。

大抵の人々はそう言う問題(生きづらさと言ったりする)を試行錯誤で解決していく。逆にいえば、そこでアルコールや薬物、ギャンブルで解決出来た人が依存問題に繋がりやすいというものだ。

 

あくまで個人的な意見としてと付け加えて話されていたが、

抱えている問題のために、生きていくことが困難で死を選ぶくらいなら薬や酒、ギャンブルを使ってでも生きたほうがいい。

ぐちゃぐちゃでも生きているほうがずっといいと言う話には心の底から共感できた。

 

終わった後の家族からの話。

「特に酒やギャンブルの問題で苦しんでいる家族はたくさんいる。

そういった人たちに聞いてもらいたかった。」

 

 

 

僕にはできない

2019/11/18

新しい仲間のお部屋が、二人部屋か狭い一人部屋かの二択になっていた。

施設の構造上の問題である。

しばらくすると、プログラム終了のため退所される方の見通しも立っていたので、

この間は辛抱してもらおうと思っていた。

 

「これは僕の考えになってしまうのですが…」と、あるメンバーは話して来た。

初めて繋がった施設で、あの狭い部屋は辛いと思う。初めはボロボロでやってくるので少しでも安心して、のんびりできる空間で生活してほしい。

僕が説教部屋に行きます。(※4畳ちょっとの狭い部屋で形も歪なので、再発した時に反省する部屋にしようとみんなで冗談を言っていた通称説教部屋)

 

施設生活は毎日続く。

それが分かっているから、格好つけたくてもつけられない。

みんな自分の生活を考える。

 

彼には感謝の気持ちを伝え、ありがたく気持ちを受け取ることにした。

思わず新しい仲間にその事実を知っててほしいと思ったが、それはやめた。

それを僕が伝えてしまったら、彼の善意を汚してしまうことになるから。

 

そして僕は気がつく。

彼が来てから、駐輪場に煩雑に置かれていた自転車が、

10台以上の自転車が車や通行人の邪魔にならないように綺麗に並んでいることを。

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