そんなに親にコントロールされていると思うのなら、
生活保護を受けよう。
仕事をしていい。
お金が貯まれば施設をでて一人で生活していい。
僕が貝に言った言葉だ。
生活保護の件は、お母さんに何度か提案したことだったが何となく断られた。母と話をする中で、母から貝への埋め合わせの意味であったことを聞く。親には親の気持ちがある。ただ今回は、僕の方から母にお願いをした。貝にとって入所費用の家族負担は、家族からのコントロール以外の何者でもないと感じている。
母はスポンサーさんと話をして、やめる選択をしてくれた。
そして母は今月、自身の埋め合わせのために来佐してくれた。
その姿を見て、母の期待に応えたくなるのは僕も家族だからだと思う。
その思いをグッと堪えて、ありのまま面会してもらった。中学生男子と母親に見えたからこそ、母から子への謝罪の意味と母の思いを想像する。
貝は何を思ったか、知らない。
ただ今でも繰り返し言う。
仕事をして、自立していい。
貝は文句を言いながら今日も施設でプログラムを受けている。
