12.正常な支払いのために「ギャンブルの元手」を使うのを渋ることがありましたか?
GAにおける20の質問から抜粋。
ほとんどの場合、食生活を見ていればわかる。
いま彼らが何にお金を使っているのか。
12.正常な支払いのために「ギャンブルの元手」を使うのを渋ることがありましたか?
GAにおける20の質問から抜粋。
ほとんどの場合、食生活を見ていればわかる。
いま彼らが何にお金を使っているのか。
「タクにします。」
アノニマスネームを彼は決めた。
アノニマスネームとは、AAやNA、GAなどのセルフヘルプグループにその由来がある。
依存症になってもならなくても、僕達は生きていく上で人をランク付けする。彼の仕事は医者だから偉くて賢くて金持ちだ。彼女の仕事はコンビニのパートなので不学で貧困だ。彼は生活保護だから身内がいない。彼女は家族が支援しているから…。
あげればキリがない。
アノニマスネームとはこれをぶち壊す概念だ。
もちろんセルフヘルプグループで発信された情報が他に漏れてしまうと誰も正直になることができない。依存症からの回復には正直さが求められるので、アノニマスの所以はここにあるかもしれない。
実に、僕は名刺に自分のライセンスや肩書きは書かない。聞かれた時は用務員みたいなものですと答える。
それくらい僕にも不要で、邪魔なもの。
今日からたくの回復の旅が始まった。
めでたいのか、めでたくないのか。
施設で迎える24歳誕生日。

つい数日前も地元の関西に帰りたいと嘆いていたが、
ここにずっとは居られない。ならば限りある時間をどう過ごすのか?一緒に考えたみた。
ご家族も、彼の入所時にお約束したギャマノンへの参加を続けていると聞く。
回復ってその時に目に見えるものでもなさそうだから少し難しいのだけれども。
ベクトルは間違ってなさそうだ。
僕はそれをしっかり見届けようと思う。
ご無沙汰しております。
GWはいかがお過ごしでしたでしょうか。
佐賀は北部、唐津のほうで佐賀ダルクと合流して2泊3日のキャンプに行っておりました。
もちろん私の家族も参加して楽しんでいました。が、疲れました。
合法的な非日常です。
その時の様子は下の写真で。

なかなかパチンコがやめられない彼は、サポートしてくれている仲間に預けている財布を持って走って行った。
1日の生活費2000円を持って彼は走った。
そしていつも通り数時間後戻ってきた。
ただ彼は救急車に乗って戻ってきた。

COBYPLANに入所される方は、ギャンブル依存症とは別の精神疾患を持っている方も少なくない。
彼もまたそうだ。
当然不要なものは医師に相談して減薬の方向性となる。
先日から減薬にチャレンジしている彼は、昨夜0時過ぎに首から背中にかけての痛みを訴えコールしてきた。どうやら引っ張られる感じだという。
その場でできる対応を取り、そして今日の出来事だ。
自転車で30分のところにあるパチンコ屋まで、再度出現した症状のために自転車でまっすぐ走れない中、何度も車道に飛び出しそうになっては修正を図り、
事なく到着した。
その名もBE1。
余談だがパチンコ屋のネーミングは本当に意味深。
BE1って1番になるっていう風にも思えるし、(これはギャンブラーにとってはロマンがある。)僕なんかは一文無しになるって読み替えてしまうけれども・・・。

それで彼は一番の出玉を獲得するために、通称5スロと呼ばれるレートが低く長く遊べるBIOHAZARDという機種を選んだそうな。
BIOHAZARD・・・。BIOHAZARDには生物学的有害物質という意味もあるのは既知のこと。
彼がチャレンジしている減薬により、自分が生物学的有害物質を体内に生成していたとは誰が考えただろうか。
初勝利は目前だった。連チャン突入したからだ。意識が遠のきそうになるも必死でこらえ、休憩のコールの後玉の何枚かを換金し、近くのドラッグストアに飛び込み痛み止めと湿布を購入した。
「連チャン終了までは俺の体、持ってくれ!」
そんな彼の声が聞こえてきそうだ。
結局彼の願いは叶わず、遠のく意識の中806枚の出玉を見つめながら救急車を呼び、施設に戻ってきた。連チャンも強制終了させられた。
自分のBIOHAZARDによって。
彼は言った。
後ろから引っ張られる感じは、パチンコやめとけってことだったんだよ。
居場所を見つけるために旅に出た彼が戻ってきた。
僕は依存症なんでしょうか。
僕はみんなとは違う。
そう言って彼は寒空の下、年金の証書をもって出ていく。
いつでも自分でやれるだろうから、ここではなく他の施設も見てくるかい?
そこが合えばそのまま居ついてもいいだろうし、それも違うなら戻ればいいし、
やっぱり自分でやってもいいだろうし。
信頼できる長崎のgraf長崎というギャンブル依存症施設を紹介した。
1週間後電車に乗って旅から戻った彼は、迎え入れてくれた皆に自らハグをして、
いつも通りミーティングに参加した。
彼がハグをした。
とある日のギャンブル相談。
ご家族で来られた。
ギャンブラー夫、ギャン妻と小さな子供2人で。
僕と大人ふたりが話している小一時間、おとなしく座っている子供がすでに立派な大人に見えてしまい(子供が大人っぽいのは必ずしも良いことではない。)、昔の自分をみているようだった。
ご夫婦はもうわかってらっしゃる方々で、ギャンブルというのは問題の一つの側面であり取り組むべき問題は他にあると感じていたようだった。
ただ長年連れ添った夫婦という関係の中で、お互いに言葉にできない、しない関係というものもある。僕はそれを言葉にしてみるだけだった。
結局お二人には、まず別々に家庭と違うところでの相談や自分の問題に取り組むことが必要であることを伝え、それぞれジーエーとギャマノンへ誘導した。
時々思う、ギャンブルが原因での家族関係不和か、家族関係不和が原因でギャンブルの問題が出ているのか。
まるで卵と鶏。
ただまあ、やることは同じなんだろうけど。

新年を迎えました。
我々のような施設とは、よろしくしない方が当然いいのかもしれませんが、
もしかかわる機会があるのであれば、その時はどうぞよろしくお願いします。
さて今日は自と他について少し考えてみたい。
自と他・・・。
先日こういうことがあった。
ある地域の自助グループGA(ギャンブラーズアノニマス)が続けられなくなるかもしれないということ。
理由はさまざまだろうし、グループの中での話なので具体的なことはわかないけど、とにかくまあそういうことみたい。
それで何が問題かというと、グループ存続のために施設の利用者さんが開場の役割を持つか否かという話に発展した。これは非常に大切な、そして悩ましい問題になる。
どういうことかというと、ギャンブルをやめ始めた新しいメンバーであるCOBYPLANの利用者さんが自のことだけでなく他のことを考えなければならなくなるというもの。お金をどう取り扱っていくかという一つの課題に取り組んでいる利用者さんにとって、他のお金を扱うこと。自分が開場しなければその場所が存続できなくなるかもしれないというプレッシャーと向き合わなければならないこと。もろもろ、彼らが生きていくためには必要なものであるが、それを引き受けられる時期はいつなのかというのが問題なのだ。
それらすべてがそんなに深刻な問題ではなく、何とかなるものであるはずなのだが、その経験を共有できる先行く仲間がいない。それを意味するのが会存続の危機という今回のケースだのだ。
利用者さんがこの話を僕に持ってきたときには、一緒に頭を悩ませた。
利用者さんが行くGAがなくなるのは彼らの回復の手段がなくなると不安になったからだ。
一緒に手伝ってもらえるかという話をされた時には、さらに頭を悩ませた。
僕はGAメンバーではなく、その家族だからだ。
結果、僕は一人の頭で考えても仕方がないと思い、依存症支援を先駆的に行ってきたDARCの責任者や、自身のスポンサーにどう考えたらいいのか相談をして、利用者さんとひとつの決断をした。
施設としては会存続のためには動かない。
利用者さん自身ができることとできないことを見極めて決断してほしい。
施設としては利用者さん自身の回復のためにできることをするので、
もし何か役割をもつなら相談してほしい。
もしせず、会が存続しないのであれば回復の他の場所を一緒に探す。
うん、シンプルでいい。
どうなっていくのか、どうしていくのか。もはや楽しみです。
先日、数年ぶりに定期健診に行ってきた。
人の体にまつわることは、少し品のない話になる可能性があるので興味のない方はここまでで。
大抵の人は「検便」を経験したことがあると思う。
今日の話は検便とテクノロジーがテーマなのだが、検便キットには流せる紙が付いているのは周知のこと。
それを便器の中に敷き、その上に用を足した後、採取専用の爪楊枝みたいなものでこすって採取する。
僕が夜中に叫んでしまうような恐ろしい出来事はこの時起こったのだ。
まず、久しぶりの健診で彼(ウ○チ)も気合が入っていたのだろう。
彼は紙を貫通したのだ。
これはまずいと思った僕は急いで立ち上がり、その反動を使って180度回転する。
そして、左手に持っていた爪楊枝みたいなアレを右手で回し開け、すぐさま氷山の一角といった具合に水面に浮いている彼の一部に向かった。
その時だった!
「ジュワワワー。」(自動水栓)
「わー!!!」
そう。彼は逝ってしまったのだ。
最近のトイレはお尻をあげると自動で流れるものが多い。
もしかすると同じ経験をされた方もいるかもしれないが、ついに僕もこの犠牲者になってしまったのだ。
翌日新しく生まれた彼を見つけることができたので、健診はことなきを得たのだが、
皆様におかれましても彼を見失わないようお気をつけいただきたい。
しっかりとウン(運)のつく話で年を迎えることができお後がよろしいかと。
この運については、ギャンブルとの関連で話したいことも多々あるのだが、
今日はこの辺で。
もちろん借金をすることは、ギャンブル依存症の人が持っている症状というか特性の一部なのだけど、借金が問題の全てではないことは自明。
原因⇨ギャンブルの問題⇨借金問題⇨施設生活。
施設で取り組んでいることは、借金問題の解決ではありません。
そこだけを解決することは、借金をできる状態になっただけです。
施設に一生いるのであればそれでもいいかもしれませんが、施設はずっといる場所ではありません。
近い将来、社会に戻ります。
なので、ここで取り組むべきは原因を探って解決を図ることです。
もう一度言いますが、借金は結果で、ギャンブル依存症の症状だと思っています。